こんな表紙はいやだ
西日本の大雨の被害は大変なことになってしまっています。
住まわれていたり、ご実家が大雨だったのではと思われる友人と連絡をとってみると、「うちは大丈夫だった」という人がいない。と書くと大げさに聞こえるかもしれないけど、実は実家に避難指示が出ていたとか、家の前が冠水したとか、数日前に訪問した駅が水没してしまったらしいとか、みんな何かしら出来事が起きていた。
最近大きな災害の続く日本でこういうことが起きると決まって、報道が、政府が、といろいろなニュースが流れてくる。それでまた気持ちが波立ったりふさいだりもする。
あまりなんでもかんでも「揚げ足取り」はしたくないけれど、これはないよ、と思った記事があった。
自然災害大国の避難が「体育館生活」であることへの大きな違和感(大前 治) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
日本の「避難所」は、災害や紛争時の避難所について国際赤十字が提唱する最低基準(スフィア基準)と比べると環境が悪く、震災関連死の原因ともなっている、という内容。
記事の内容にもショックを受けたけど、私が何より「これはないよな」と思ったのが、内閣府が2016年4月にまとめた「避難所ガイドライン」にもとづく「避難所パンフレット」。
詳しくは記事を見てほしいのですが、パンフレットはこんな表紙なのです。
(記事から画像をお借りしました)
右ページに書いてあることは今回は言及しませんが、
自分の家にいつ戻れるのかという不安、家族と連絡が取れなくて不安、それどころかひょっとしたら家族をなくしたり、捜索中なんていう人もいるかもしれない避難者の方に配るパンフにしては、
あまりにもこう…、はい、子供やお年寄りの方はこうやっておとなしく、係の人のいうこと聞いてくださいね、みたいな… なんかこう、他人ごと感とか、冷たさ、を感じたのでした。
表紙に、こんなイラストいる?
こういう表紙にしましょうっていう相談の打ち合わせの様子を想像してみると、ほんとに気持ちがカサカサしてくる。
(あと、内閣府 という文字もちょっと目立ちすぎ)
じゃあどんな表紙がいいんだよ、と心の中の「反対するなら代案出そう」さんに訊いてみた。
お花かな…いや、でも色や花の種類によってはかえって暗くなっちゃうかなとか…
みんなが笑顔で助け合って作業してるようなイラストだったら逆にひいてしまいそうだし…
ということで、私の表紙代案は「アンパンマン」のイラストです。
なんかほら、子供が喜ぶかもしれないし、大人にだって、メッセージをくれるんじゃないかなと思ったり。
自分は避難所生活を送ったこともなく、政府を批判とかそういう気持ちを言いたいわけではないことはわかってほしいのですが、自分がもしパンフを作ることになったら、こういう表紙にしたくないし、もらうのも配るのもやだなぁと思ってしまったのでした。
配慮が足りない書き方も多々あるかもしれないですが、このパンフを最初に目にしたときの、なんともいえない、どよーんとしたガッカリした気持ちと、そこから考えたことをどうしても書き残しておきたかったので。
ではでは、行ってきます。